Ballet Square

鑑賞したバレエの感想など書き綴ります。

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2016/3/4 ハンブルグ・バレエ団  「リリオム―回転木馬」

今年は6月にロイヤル・バレエの来日公演があり、ワディム・ムンタギロフがロミオとアルブレヒトを踊る予定。折角のロイヤルの公演は、なるべく良席で見たいと思っていたところ、NBS会員の友人から「gromitさん、ムンタギロフのチケットは?」とお声がかかったので頼んであります。

また、新国立劇場バレエもムンタギロフを客演する予定で、ロミオを踊る。 折角ロミオを踊るならなるべく良席で見たい。 そこで来シーズンは新国立劇場の会員にも久し振りになることにしたのです。

従って、懐が非常に寂しい。 前置きが長くなりましたが、ハンブルグ・バレエの公演はパスしていた言い訳です。
ところが~~、目の前にチケットがひらり、ひらりと舞い落ちてきたので、喜んで行って参りました。

2016年3月4日(金)  18:30 東京文化会館
ハンブルグ・バレエ団  「リリオム―回転木馬」
─ プロローグ付き全7場のジョン・ノイマイヤーによるバレエ伝説 ─

主な配役
リリオム: カーステン・ユング
ジュリー: アリーナ・コジョカル(ゲスト・ダンサー)
ルイス: アレッシュ・マルティネス
風船を持った男: サシャ・リーヴァ
マダム・ムシュカート: アンナ・ラウデール
マリー: レスリー・ヘイルマン
ウルフ: コンスタンティン・ツェリコフ
フィスカー: ダリオ・フランコーニ
水兵: キーラン・ウェスト
天国の門番: エドウィン・レヴァツォフ
内気な青年: アリオシャ・レンツ
悲しいピエロ: ロイド・リギンズ
エルマー: エマニュエル・アムシャステギ
幼少時のルイス: ヨゼフ・マルキーニ

指揮: ジュール・バックリー
演奏: 北ドイツ放送協会ビッグバンド、および録音音源

ジョン・ノイマイヤーが、ミュージカル『回転木馬』に着想を得て長年創作したかった作品だそうです。 音楽は『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』を作曲したフランスのミシェル・ルグランが担当。 舞台の上部のビッグ・バンドがジャズ風の音楽を奏でます。

パンフレットを買わなかったので、詳細は分かりませんが、NBSのサイトや広告による簡単なあらすじによると、時は1930年代の大恐慌時代のアメリカ。 
プレイランドの回転木馬と、その裏側の職業斡旋所が時代を表しています。

職業斡旋所の前での、白鳥の群舞ならぬ男性失業者の6X4人の圧倒的な踊りが2回ありますが、これが印象的で素晴しい。
生活の糧を求める失業者達のこの切実な叫びがなければ、この話は成り立たない。 

大統領選挙のニュースから垣間見える現在のアメリカ社会は、1%の富裕層と99%の市民に分断され、温厚な中間層が崩壊しつつあると言われています。 そして、世界は1930年代と同じようになってきている。 
米国人のノイマイヤーはこの危機感を発信したかったのではないのでしょうか。

カースティング・ヤングは優しくはあるが、ならず者のりリオムを、アリーナ・コジョカルは健気なジュリーを好演。 さすがにオリジナルキャストです。 他のキャストも踊りで役をよく表し、特にジューリーの友人マリー役のレスリー・ヘイルマンが好演。
菅井円加さんも、特別な配慮だと思いますが、オレンジ色の風船を持ち麦わら帽子をかぶったプレイランドの客の一人で、目立ちました。 

初めの導入部分のシーンから、ストーりーの発端に戻り少しずつ紐解かれていき、導入シーンまできてその先に進みます。 また、自ら命を断ったりリオムが成人した息子の行く末を守るように愛の灯を届けます。横軸と縦軸がまるで『回転木馬』のようです。

この閉塞感のある社会状況下で、亡き父からの愛の灯を息子ルイスがどう活かして生きていくのか、この先が知りたいところです。

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